2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
大きな地震のあとに見落とされがちなのが「火災」のリスクです。揺れそのものをやり過ごせても、建物の中では消防用設備が損傷していたり、火災の原因が生まれていたりすることがあります。この記事では、地震のあとに確認しておきたいポイントを、消防設備の専門業者の視点でご紹介します。
地震のあとに増えるのが「通電火災」です
通電火災とは、停電から復旧して電気が通ったときに起きる火災のことです。倒れた電気ストーブが可燃物に触れたまま通電したり、傷ついた配線がショートしたりすることで出火します。過去の大地震でも、地震後の火災の大きな原因となってきました。
- 避難するときは、必ずブレーカーを落としてから建物を出る
- 戻ってきたら、いきなり通電せず、まず室内の状況と配線・電気機器を目視で確認する
- 焦げ臭い、ガス臭い、水漏れがあるときは通電せず、専門業者や消防に相談する
消火器は「置いてあるだけ」になっていませんか
地震で消火器が転倒したり、落下物の下敷きになったりしていないか確認してください。本体の変形・サビ・キャップの緩み、圧力ゲージの針が緑の範囲から外れている場合は、そのままでは使えない可能性があります。
あわせて、使い方も確認しておきましょう。粉末消火器・強化液消火器の操作は、次の3ステップです。
- 安全ピンを抜く
- 片方の手でホースの先をつかんで、燃えている物に向ける
- もう一方の手で上下のレバーをいっしょに強く握る
ホースを向けるのは炎ではなく燃えている物の根元です。頭で分かっていても、いざというときは手が動かないもの。設置場所とあわせて、社内・館内で共有しておきましょう。
自動火災報知設備の異常サインを見逃さない
受信機のパネルに、地震のあとから次のような表示が出ていないか確認してください。
- 「断線」「地区断線」などの故障表示が点灯している
- 主電源・予備電源のランプが消えている、または異常表示になっている
- 誤作動が繰り返される、ベルが鳴り続ける
天井裏の配線が揺れで断線していたり、感知器が傾いて外れかけていたりすることもあります。表示が出ていなくても、感知器の脱落や傾きがないか、天井まわりを目で確認しておくと安心です。
スプリンクラー・避難器具・防火扉まわりも確認を
スプリンクラー設備は、配管の継手のゆるみや、ヘッドまわりからの水漏れ・にじみがないかを確認します。天井のシミは配管損傷のサインであることがあります。
また、地震で荷物や什器が移動し、避難器具の設置場所や防火扉の下に物が置かれてしまうケースが非常に多く見られます。片付けの際は、避難経路・防火扉・非常口の前を最優先で確保してください。
気になることがあれば、点検時期を待たずにご相談ください
消防用設備の点検は法令で定められた周期がありますが、大きな地震のあとは次の点検時期を待たずに確認することをおすすめします。目視では分からない配管内部や配線の損傷は、専門の資格者による点検で初めて見つかることも少なくありません。
消防設備の点検・施工・ご相談まで、株式会社トラステックがトータルでサポートします。お気軽にお問い合わせください。